恋はいっぽから!






「おーこわっ。で…、どーゆー風に転がしてくれたわけ?」


「…………!」


「俺、案外Mかもよ?やってみろよ。」


そんなサディスティックな微笑みを見せつけておいて、よくもまあいけしゃあしゃあと…!



「…………。」



私はピョンっと階段を飛び降りて。


彼の……すぐ傍に立つ。



それから……、


じっ。…と顔を見上げて…………。




「……このように…、です!」



両手で彼の頭を鷲づかみして………



ぐりんぐりんと……



回してみせる!!





ちなみに彼は……


なされるがまま。




「……まあ!なんて素直ないい子なのかしら。まさに究極のM!!」




「……だから…、俺なんて結構簡単に転がるっつーの。」



ニシハルは目を回したのか……


散々弄ばれた後に、頭を垂らしたまま、ポツリと…覇気なく呟いた。



私は彼の頭に手を置いたまま……


何も言えなくなる。




「………三船……。」



不意にニシハルが……私の頭を、両手で包む。



お互いに、同じ体勢を保ったまま……



微動だにしない。




けれど、ゆっくりと確実に……


ニシハルの顔は近づいてきていて。


拘束し合っているのだから……逃げ道はない。




「……せんせ…」


……ゴチッ☆



「…………いっ!」



これぞ究極の……S!!

キスされるのかとうっかり構えてか~ら~の~


頭突き!




更に……!


まだおでことおでこはくっついたまま。




一体今度は何を仕掛けてくるのかと覚悟したけれど……。




………そのまま。




「………。…ごめん。つか…駄目だって、簡単に触れちゃあ……。」



「…………。」



またゆっくりと…その距離は開いていく。




「……よし、と。あ…そーだ、俺事務室に届けものあるから…靴履いたら職員玄関の前で待ってて。すぐ行くから。」



「…………。」




「……聞いてる?」



「え、…あ、はい…。」」




「…じゃあ…また後で。」



まるで…何事もなかったかのように、




スタスタと先を歩いていく先生の後ろ姿を……




一人残された私は、ただ呆然と……




見送っていた。