「「…………。」」
何となく会話もないままに…
階段を下りていく。
そしてやっぱり何となく…、
私は彼の一歩後ろ。
その背中を間近で見ながら…歩いていた。
「そういやお前ここまで何できたの?」
ニシハルは前を向いたまま…尋ねた。
「駅からけっこー距離あるじゃん?その格好で歩いてきたのか?」
「あ。イエ。大学までは宏輔が送ってくれました。その帰りにここに寄ってもらって……。」
「へぇ…。………て、……え。『宏輔』?!」
途端にニシハルは……ぐるりと振り返る。
「……?はい。」
「…ふーん…。や、もしかして彼ならまだ待ってるんじゃないかと思って。」
「大丈夫です。ちゃんと見送りましたから。」
「あ、そう。なら…いいんだけど。」
ニシハルったら…
顔がホッとしてるわよ?
よほど…トラウマなのかしら。
「お前は相変わらずブラコンなのか~?」
「いいえ、彼からはもうとっくに卒業しましたから!」
「ははっ、ならむこーがシスコンだな。」
「………。ええ。全く困ったものです。」
先に階段を下りきった彼は……私を見上げて。
私は彼を…見下ろして。
その視線が………絡まる。
「……で?」
「……?え。何ですか?」
「電話で済む話だろうに、どうしてわざわざここに?」
………。
意地悪な……質問ね。
貴方ならきっとわかっているだろうに……。
「…………。だって。貴方が待っていると思ったから。」
「もう結構いい時間だ。既に帰ってるとか…考えなかったのか?」
「………でも……、待っていたじゃないですか。」
「…………。」
「ですが…、こんなに沢山の先生方が待っているとは……、さすがに予想GUYです。」
「……。うん、だよなぁ。つーか、俺の手の内なんてお前にはもうお見通しな訳だ。」
それは…、
思い違いだわ。そっくりそのまま貴方に言い返したい台詞だけれど…。
けれど……、もう、言う必要はない。
「ええ☆もう少し早くに理解できてたら…手の平でこう…コロコロと転がしてやった所ですわね。(ニッ…)」


