恋はいっぽから!





まだ……会える。


そう…ですよね、確かに私だってまだ…実感なんて湧かないもの。






「…離れたら…どう思うんだろうね、ホント。そこで初めて…気づくことがあるのかもね。」



鼻の頭を真っ赤にしながら…


莉奈ちゃんが天を仰ぐ。




「いっぽだってわかんないよ~?綺麗サッパリなんて言っちゃって、後からどば~っと涙が出るくらいに悲しくなるかもよ?」



「……そうでしょうか?」



「さあねー…、神のみぞ知る!」



「……そうやも…しれませんね。」







ちょうど……私たちに、参拝の順番が回ってきた。



「恋の成就うんぬんより、今は合格祈願!」


莉奈ちゃんは歩みを進めながら…そう叫んだ。




「……!やはり恋なのですかっ?!」



「や、言葉のアヤよ。それより早くおさい銭……。」




「……ちょいと待たれいっ!莉奈ちゃん…、神に願うのであれば、しっかりとマナーを守らねば……!」


「……?!」




「まずは…、一揖!!」
「…は、はい。」


「次に、鈴を力強く鳴らしましょうぞ。神に我々の存在を知らせるわけです。」



…カランカラン…♪


「今度こそ、お賽銭です。お賽銭を投げつけてはいけません。そっと静かに入れましょう。 」



次は…

「二礼二拍手一礼を行います。」

腰を90度に折り曲げて…美しいお辞儀。


柏手を2回。



パンパンッ……!!



両手をあわせて……、






『どうか、皆の未来が明るく照らされていきますように……』



強く、祈念をこめて…


願う。



莉奈ちゃんは…何を願ったのかしら…。



一礼…。 


再び深くおじぎをして、

「一揖……!」




これにて……


参拝の終了。






莉奈ちゃんは名残惜しそうな表情を浮かべ、まだ…じっと神を見つめていた。





「いっぽ、運試しにおみくじひこうか?」

途端に…くるり、と振り返り……。


わざとらしいくらいに、明るい口調で…尋ねてきた。




「……。神を冒涜する訳ではないのですが、それに左右されてしまいそうで怖いので…私は遠慮しておきます。」



「……確かに今凶なんて出たら…立ち直れないわ。やめよう。」