恋はいっぽから!

保健室に…俺とニシハルだけが、残された。






「……つか…、今のなに?あの状況で、アレはないだろ?」



一発……、
一発でいいから殴ってやりてー。



「……本気で……三船があんたを嫌ってると?だとしたら、あんたは相当馬鹿だ!」




「……思ってる訳ないじゃん。」



ニシハルは、ニヤっと笑って……



俺を見た。




「………!」



こ…こいつ………!





「あいつ、思いこみ激しいだろ?ドツボに嵌まる前に、気づかせないと。」




「………?どういうことだ?」





「…一時の気の迷いだって。」







つまりそれは、



三船が好意を持っていることに……


気づいての行動?




「……初恋なんだよ…。訳がわかんなくなって当然だろ?」



「なら、ますますだな。初めて好きになる奴はもっと慎重に選ばないと。」



「人の感情だろ。どうにもなんねーんだよ。」




「………。ならお前は?お前こそ、三船んとこ好きなんだろー?」



やっぱり気づいてやがったか……!



「…そーだよ、悪いかっ!」



「や。いーんじゃねえの?三船もお前との方が…楽しくやっていけると思うけど。」



「………え?」



「教師と生徒なんてリスクが高いだけだ。」



「……………。」




こいつ……、


まさかそれを理由に…?




だから三船を…



遠ざけたのか?


でも。



だとしたら……




「……アンタは…、三船のこと、ホントはどう思ってんの?」



「…俺?」



奴はキョトンとして……



一つも動じやしない。





「……そうだなぁ…。あんな涙見せられたし、もし、この場にお前達がいなかったら…うっかり手ェ出したかもな。」





「……!テメぇっ!」





なんつーことを……!



マジで最低じゃん!








俺はニシハルの胸倉を掴んで、拳を握る。





なのに……、



ニシハルは、抵抗すらしない。



しかも。



「道を踏み外させちゃあ…駄目なんだよ。」



あまりに真っ直ぐに俺の目を見るから……。




「……………。」




俺は……


その拳を、振り下ろすことができない。




こいつ……、もしかして……?