「…ニシハル。あんたの焦る顔を…見たかった。あんたがいる限り、一歩は俺んとこは見てくれない。」
「……は?」
「一歩にとっては…、俺はただの気のいい仲間だったんだろうな。アドバイスすればその通りに動いちゃうし、バカ正直でさ……。振り向かせることなんて、簡単だと思ってた。でも……実際は違ってた。頑としてる部分もあれば融通きかないこともあってさ。保険かけてたんだよ、ずっと。もしどうしようもならない時の為に、困らせる材料を…集めてた。」
「…………!」
「それが…この切り札だった。いっぽが傷つくかもしれないと思ったら、なかなか出せずにいたけど……。もう限界かなって。このままだったら一生友達のまま。もうすぐ…卒業。彼女が傷ついたら、その分を俺が癒せばいいって…思った。予想通りにニシハルはお前を庇おうとしたし、大境に疑いの目が行った。でも……、でも、今…一歩が俺を庇おうとした。めちゃくちゃにしてやろうとした俺を…本気で庇おうと。」
「……当たり前です。……貴方は私にとって一生大切な友達なのですから。」
「……。『友達』か…。何気に一生とか言っちゃうし。その友達に騙されたのに……どこまでアンタはバカなんだ。」
「………。」
「…アンタは覚えてないかもしれないけどさ、一度アンタに携帯借りて…操作したことがあったろ?あの時、故意に…画像を俺の携帯に送信したんだ。ついでに高原の写真も…、アンタが倒れたことが心配で、朝早くに眠りから覚めてさ、ついでに見舞おうとしたら………部屋にいねーんだもん。嫌な予感って大概当たるんだよなー。案の定、ニシハルと会ってた。…自分がこんなに腹黒い奴だなんて思ってなかったよ。」
「………。最初からライバル心向きだしだったな、お前は。お前らはもう…付き合ってるものだと思ってた。」
「………。アンタのそういう所が…嫌いなんだよ。飄々としてて、感情を見せないで。三船を笑わせるのも傷つけられんのも、アンタしかいないっていうのに……。どこをどう見たら俺らが付き合ってるように見えるんだよ!」
「…えっ、違うの?」
寺澤先生が……茶々を入れる。
「生徒達の間ではそういう噂だったし、そういうことになっていたわよね。」
続いて、紺野先生も……。


