「…………。ちょっと…待ってください。」
そんな声が。
静寂を……切り裂いた。
気づけばいつの間にか、ドアの内側に立っていたのは……
………長南殿。
「…ニシハル。自分一人で格好つけてんじゃねーよ。」
「……長…南?お前、どうしてここに……。」
ニシハルは…驚きを隠せない。
「目ェ覚めたよ、センセー。三船は…俺が守る!」
「……は……?」
長南殿……?
「三船一歩は俺の女です。他の男と浮気するだなんてことは…、まず有り得ません。この日彼女は…従兄弟と一緒に出掛けていたと聞いています。」
え………?
従兄弟……って…、コウスケのこと?
どうして今、そんな筋違いな話を……?
誰がどう見ても、朝早くの…高原で撮られたものにしか、見えないでしょう?
「今日、早朝練習で早くに学校に行った後輩が…写メを送ってくれました。この写真は…、一歩が偶然居合わせたニシハルを取っ捕まえて…無理言って撮影してもらったものです。」
長南殿はそう言って……、
小松先生へと、自身の携帯電話を差し出す。
「……?!なんですか…、この写真は!」
「……。あれ?小松センセーは知らないの?」
「?…なんのことかしら?」
「この写真、職員室前に貼ってあったみたいだけど。」
「………!貴方達……、これを隠していたわね!」
彼女は他の先生方を…キッと睨みつけた。
「……ところで貴方は、この写真を見て驚かなかったのですか?」
「彼女からすぐに報告を受けていましたし、写メも見せて貰っていたので……。」
「…………。」
顔を歪めて考えこむ…小松先生。
「…なんなら、その従兄弟に証言してもらいますか?ねえ、ニシハル。それが手っ取り早いだろ。」
「………。確かに……、それが一番早いかもな。」
はあ……?!
な……、なぜコウスケ?
「……ところで三船。お前はそれがなんの話か…わかってる?」
「………?あの……?」
ニシハルは私に問うけれど。
まさに……
なんのこっちゃ、……である。
「………。長南…。」
「…あ?」
「…悪いがこの写真のことは……、三船は知らないんだ。」


