恋はいっぽから!





かなり落ち込んでいるわ……。


一体…、どんな事態に……!



「……なーんて、な。あーあ、簡単に騙されてちゃって。かーわい~。」



途端に…ニシハルはいつものように、余裕の笑顔を見せ付ける。



「……なっ……!」


か、か……、



かわいくない……!!!!






「お前はいい意味でも悪い意味でも素直だから…すーぐ信じちゃうもんな。」


わしわしっと頭を撫でられたまま。


完全に子供扱いを受ける……私。



「…けどさっき…、実は聞こえてたんだよな。三船が『信じたい』って言ったその台詞。」



………!!



「いつの間にやら教師って存在を肯定するようになったんだか。…俺のおかげか?」



…………。


ちと論点はズレてはいますが……、でも、ええ……、そうだから……


ここは否定はできない。




「……お前が俺を庇ったあの勇ましさも…見物だった。」



ムム……!『見物』とは。

なんたる失礼な…!



「『ホの字』なんて…今時使うかあ~?どう話に入っていこうか結構ドキドキしてたのに、アレのおかげで緊張が和らいだし。さらに言うなれば……、勇気が出た。」



「……エ。」



「けど…、俺を庇うのも、守るのも……百年は早いな。」



「……。貴方がじいじになれば私もばあばですが?そのくらいになれば、もう守るどころか支え合いをしなければなりませんね。」



「……。確かに。俺が100歳なら…、お前は92。ただの老人同士、歳の差も…立場なんてモノもない。」



彼は目を細めて…

クスリと笑う。





「……嘘も駆け引きさえも…、必要なくなるな。」



「……?ええ。私はきっと、それはそれはかわいらしいおばあちゃんになって……。じいじと共に縁側でお茶を飲んでるわ。」


「……それは随分優雅な老後だな。」



「そうでしょう?人生の集大成です☆」




「……そんな穏やかな日々が訪れるまではきっと…沢山の紆余曲折を経て、それを何度も乗り越えてこそある…未来だ。」



「……そうですね。島倉千〇子さんも人生いろいろと説いておりますもの。」



ニシハルは、こんどは楽しそうに…声を上げてわらって。


私の頭を…

何度も、何度も…優しく叩く。