恋はいっぽから!










じわじわと……


太陽の熱に暖められた廊下の暑さが、身に沁みてきた。





講習が始まっている教室に入ることは……些か、勇気がいる。



理由は…それだけではない。









彼女は私を見て……




一体どんな顔をするのでしょうか……。







掌に滲む汗が、ドアに掛けたその手を…滑らせる。




「……。いっぽ、大丈夫?」



莉奈ちゃん達が心配そうに…廊下の先から見守っていた。




「……ありがとう、莉奈ちゃん、高津くん。……大丈夫です。」








意を決して。


扉を……開く。







ガラ……っ









「たのもーッ!!!」



不安を払拭させる為に、それはそれは大声で…叫んでみせると。



予想通りに……


皆の視線がこちらへと集中する。





……と、ただ今こちらではどうやら物理の講習中。





「…………。」



しまった。

私は物理を選択していないっていうのに……!!



ここの教室には用はなかったわ。




しかも……、彼女はいない。



私ったら、動揺の…し過ぎね。



もっと普通にしなくては……!




「……三船。お前…何しに来た?」



人差し指で眼鏡の位置を直しながら、物理の先生が…私を睨む。





ん?こ……、これは……!!








「………!……。……実に…面白い。」








私は3本の指を顔にあて、あたかも彼の仕草を真似ているかのように…見せかける。



ツカツカと教室のど真ん中へと歩みを進めて……



先生の手からチョークを奪い、

それから――、


黒板へと向かい合い、そこに私が知る複雑な数式達を…カツカツと音を立てて、書き連ねる。




カラン……、とチョークを置いて。





ここで……、







「………。ガリ〇オ、ただ今絶賛放送中……!」



……番宣!!

(注:いっぽはキム〇クに負けず劣らず福山雅〇も大好きです)





呆気にとられる生徒達。


なんのこっちゃと戸惑いぎみの先生。



沸き上がる妙な…、達成感。




「…………。うっかりヒロインの座を吉高由里〇さんから奪う所だったわ☆………では、皆さん、ごきげんよう♪」






三船一歩、18歳。

柴咲〇ウと一緒にヒロイン……離脱します。