恋はいっぽから!







「なぁ…、けどさ、『近くにいる奴』って…、誰のことだ?」



「………!」


そうだわ……、


感傷に浸ってばかりはいられないんだった。



まだ何も解決など…していないのに。


「まさか、ニシハルったらウチらのこと言ってるんじゃないよね?!」


「アホか。だったらわざわざ俺らに三船を託そうだなんてしないだろっ。」


「…あ。そっか。…じゃあ……?」



二人の視線が……


私へと注がれる。




「…今回はこれで済みそうだかいいけど…、黒幕が誰かわからなければ、また同じようなことが起こりうるってことだ。」



高津くんのひと言に……


私と莉奈ちゃんが顔を見合わせる。






「……いっぽ……。」


莉奈ちゃんは遠慮がちに…私の顔を覗き込んだ。



「……少なくとも…ニシハルは気づいてる。そいつが…誰なのか。お前ももしかして…見当ついてんじゃねーのか?」



「…………。」





高津くん……。


その通りです。


ですが私はあの方を疑うなど…したくない。


こんなことをするだなんて、到底思えないんですもの。




きっと、ニシハルも……


そう思うからこそ、名前を出さずに警告に留めたのではないでしょうか。


犯人探しのようなことはしたくないと、先生方も…考えているのね……。


それは私とて…同じだわ。



知りたいけれど、知りたくない。




だって思い浮かぶその人は――





今、最も疑いたくない人物であるのだから………。