恋はいっぽから!





「…黙ったままではかえってやましいことがあるように感じるけど?」



お局先生の蔑む瞳が……


戸惑う心を突き刺す。




どうすれば……彼を守れるのか。



そればかりをぐるぐる頭で考えていても、上手い言い逃れは…思いつかない。



ただ黙って成り行きを見つめる先生方の視線が…怖かった。




私はやはりまだ……


嫌われ者の生徒なのね。







『このままでは……』


と、手に汗を握っていた時だった。




背後の扉がゆっくりと開いて……

「……小松先生。ハナっから決めつけるような言い方は…どうかと思いますけど。」




冷静な声が……



やんわりとお局先生を諭す。





「……紺野…先生?」



白衣の……魔女。





「……仁志先生から彼女のことはよく聞いていました。まだ真相が明らかになっていないのですから…責める必要はありません。それに、彼女が私達を警戒しているのが……貴方にはわかりませんか。」




紺野先生の言葉に、お局先生は一瞬にして顔を真っ赤にさせる。



「……我々教師が共通理解していないだなんて…情けない話です。」



「…紺野先生、私は別に……」



「……あの…、彼女と少し話をさせて貰えませんか?」







魔女が……私と?





「仁志先生は私にとっては同僚である以前に旧友です。彼が彼女を気にかけていたことは…私もしっています。彼の性格上放っておけなかったことも理解できます。ですから……事を荒立てずにまずは冷静に話をしたいんです。」







そこにいる誰もが……、


一気に口を閉ざす。





「………。小松先生、僕も…紺野先生に賛成です。」



ずっとだんまりだった寺澤先生が…席を立ち上がる。





「…まだ…、校長へは報告しないでいただけますか。」



寺澤先生は私の方を見ると……、ひとつ、コクンと頷いた。




「…………。いいでしょう。ですが、生徒達を騒がせてしまったのだから……後ほど改めて報告はします。」



「「ありがとうございます!!」」



魔女と寺澤先生の両者が……揃って頭を下げていた。