恋はいっぽから!



「…………。」



「で?どこ狙ってるん?何や全部バラバラな学部希望しとるよーやけど。」




「………。それより、オオサカはいかがでしたか。」



「…私?はい、どーぞ見てみ。」




オオサカより模試の結果を見せてもらうと。



「…凄いじゃないですか。見事に全部A判定…。」



「……。あんな、よー見てみい?」



「ん?」




志望大学欄をよく見ると……。




「K…音大?それに、S芸術工科大…、T女子短期大学栄養科……。」




「………。そ。つまり、学力関係ないとこばかり。確かにセンターで入れる所もあるけど、それよりも欲しいのは才能…!無謀やねんな。音楽科のある高校にも入らんと音大目指すちゅーのは。」



オオサカは両手で顔を覆って……。

恥ずかしそうに、視線を落とす。




耳まで…真っ赤だわ。



「……。いえ、素敵だと。つまりは…なりたいものがあるということですね?」



「……ん。小さい頃からピアニストとデザイナーとパティシエに憧れとって。どれって選びきれんけど…それぞれ、習いごとや通信教育やセミナーとかに参加して自分の力を試してたんよ。」



「……すごいですね。だからオオサカは放課後いつも早く帰っていたのですか。」



「…まあ…、どれも顔に似合わんし、言ったら馬鹿にされそうだからだまっとったけどな?いっぽは絶対そういう風に思わんやろ?」


「はい、明確な目標があるなんて…逆に羨ましいです!」


「……!やっぱ、いっぽやなぁ…!」


「………?」


「…アンタのそーゆーとこ、好き。」



「………?オオサカ、私も貴方が好きですよ。迷いがなくて、綺麗さっぱりハッキリ…。目指すべき女子像かと。」




途端にオオサカはキョトンとして。


一気に笑いを…爆発させる。



「…馬鹿~、アンタやっぱりズレてる!こんなの目指したら、男もできないガサツな女になってまう!」



「………男性などどうでもいいですよ。貴方は信念を持っていて自分にブレがない。なりたくてもそうなれないものです。」


「…………。」



「それに私が好きと言っているのだから…認めて下さい。謙遜されても困りますよ?想いは受けとってもらわないと。………ラブです☆(ポッ…)」