あちらにも。
それに当て嵌まる人が…
約1名。
「…長南の模試の結果…、聞いた?!英語が全国で800位って…さり気に凄ない?」
「ええ、さっき交換こして見せていただきました。彼の飛躍ぶりには…私も驚いているわ☆」
長南 泰人…、18歳。
早々にサッカー部を引退した彼は、勉学においても既に…その、頭角を現し始めていた。
「そういや勉強合宿ん時も、先生に個人的に聞きに行ったりしとったな。なんや、こーも必死な姿を見せつけられると、こっちが気ィ揉めるわ。」
「………。確かに…。」
私は、ちらりと長南殿へと…視線を移す。
僅かな休憩時間にも関わらず、彼は参考書を広げて…なにやらぶつくさ呟きながら、勉学に勤しんでいた。
「……どれ、いっぽ。アンタはどうなん?」
オオサカは私が手に持つ模試の結果を…ひらりと奪いとった。
「…………!!!」
アラ……?オオサカったら。
何故固まっているのかしら。
「……アンタが頭いいのは知っとったけど、なにコレ!自分800位所か…殆どの教科、全国の二桁か三桁入りやん!しかも英語なんて40位…?!長南を上回る奴が身近に…!アンタ一体どんだけ?!」
………。
ええ。だって……、必死に勉強をしてきたもの。
以前には聞き取りができなかったネイティブな英会話も…、スピー〇ラーニ〇グと大好きな洋画を繰り返し観ながら、マスターしてきたわ。
今では…母上の練習相手にもなれる。
「As you said,…He is inferior to me in English.But…(たしかに、彼は英語ではわたしより劣っているわ。ですが…)I am much inferior to him in mathematics. (数学については私の方が彼よりずっと劣っているのよ)」
そう……、前にニシハルが話した英語を理解できなかったのが、悔しかったのデス。
おまけに言うなれば、数学だけが…
まだまだ理解しきれていない。
これじゃあ先生に、面目ないわ。
「…………。……?英語?数学?ごめん、アンタコレさり気に嫌味やで。まあ…、ようわからんけど、志望大学全部A判定て羨ましいわ。しかも、一流大ばかり……。」