こんな時なのに。 掛けるべき言葉が…見つからなかった。 『頑張れ』と励ますべきだったのか。 『ありがとう』と感謝の意を伝えるべきだったのか……。 なのに……。 「サッカー、全国に行けるよ。」 最後に選んだ言葉は、俺と親父を結びつける……唯一の話。 結局俺自身もこだわり続けていた……、サッカーのこと。 親父は、表情一つ変えずに。 だだ、一度だけ……頷いた。 それから、ゆっくりと瞳を閉じて………。 まるで、寝入るようにして……… 人生の、幕を…… そっと…下ろした。