「………。病院…っ。」
気づけば俺は……、
携帯を片手に、家を飛び出していた。
やって来た病院……、
親父のいるはずの、角部屋。
ノックもせずに、勢いよくその扉を開けるけれど……
……誰も………いない。
綺麗にメイキングされたベッドが一台。
それから………、
目に映ったのは。
ベッドの奥にある…小さな窓。
「…………。」
俺は迷わずつき進んで……
窓の外を見る。
「…………!!」
揺れる葉桜の間から見えたのは………
「………ホント、馬鹿じゃねーの…。」
小学校の……グラウンド。
そこでサッカーボールを蹴る、少年達……。
「……こんな下手くそなサッカーばかり見て…どんだけサッカー馬鹿なんだ……。」
親父は部屋を移動してまで……見ていたかったということか…。
それから…その部屋を出て、ナースセンターへと急ぐ。名前を探すより、断然…早いからだ。
「…あ、二岡さんの…!」
俺を見るなり、見覚えのある看護師が…声を上げた。
「今すぐ、お父さんの所に行ってください!案内しますから……。」
若い看護師が故に、焦りを…隠せていない。
伝わる……嫌な予感。
パタパタとナーススリッパの音につられて…
俺も、次第に……
早足になる。
ある病室の前で、彼女は…足を止めた。
素早く2回ノックして。
中の返事を待たずに……
扉を開く。


