一瞬の隙が、ゲームを左右する……。
まさに、その言葉通りであった。
ゴールに攻められ、ディフェンスばかりに体力が…奪われていった。
が、本当に一瞬であった。
相手のシュートをガッチリと止めたキーパーが……ボールを大きく蹴りこんだ。
右サイドから、チームメイトがボールを運び……、
その間に、寺澤と俺が…前に上がる。
次にボールを受けたのは…寺澤。
しばらくボールをキープし、一瞬、シュート体勢へと入る。
左右サイドから走る俺達の姿を…わざわざ確認などしない。
迷いなく、放たれたボールは、俺の元へと飛んでくる。
それを、胸で一旦トラップすると……。
そのまま、勢いよく…蹴り上げる。
軌道は………
キーパーの頭上へ。
手を伸ばしたキーパーの指先に、触れるか触れないかの所で……
ボールが、下方へと落ちていく。
それは……、ネットを揺らして。
後半…30分。
試合が……動いた。
相手優勢の展開からの、一瞬の……反撃。
作戦通りのカウンター。
気持ち良いくらいに軌道を変えたドライブシュート。
それらすべてが、歓喜の渦となって……
俺達選手へと返ってきた。


