「二岡。親父さんの具合はどうだ?」
学校に行けば、担任の平賀が…そんな風に、窺いを立てることもあった。
「若い看護師に鼻の下のばしてますよ。」
これも…事実だから、嘘はついていない。
「………。達者で何よりだな。」
「クソじじいッスよ。」
「こら。父親に向かってなんちゅう口を…。ったくお前は……。…なあ、困ることはないのか?家事だってお前ひとりで……」
「元々全部自分の仕事だったから…なんもかわんないッスよ?」
「けどお前、サッカー…」
「あれは元々親父が好きでやらされたのがきっかけだし…、未練なんて無いよ。」
「………。親父さんに何か言われないか?」
「………。いや、奴は俺に無関心ッスから。」
ここでひとつだけ……
嘘をついた。
あの人は俺には無関心だけれど……、
サッカーに関しては…
別だ。


