親父が風邪を長引かせて、余りにも咳が続くから…と、病院を訪れたのは。
3月の話だった。
その頃、確かに乾いた咳をしては……
「…寒い」と言って、ヒーターの前から離れない日もあった。
なのに……煙草だけは、いつもいつでも…プカプカとふかしていて、やめればいいのにと…何度思ったかわからない。
こんな病人がいるか、と高を括って行われた…検査入院。
そこで……初めて自分は、病におかされているのだと…気づく。
突発性間質性肺炎。
普通の…肺炎とは違う。
原因は…不明であった。
肺が…固まる病気。
進行を進めないように治療しなけばならないが、一度固まった肺を元に戻すことなどできなくて……
治癒はできない病気であった。
教職に就いていた親父は、キリが悪すぎる、とそう言って……。
3月いっぱい仕事を全うした後に、治療に専念する為、休職ようと……決めていた。
そう…決めたのに、
少しずつ、体に…異変が起きる。
自宅の階段をのぼり下りするだけで、呼吸が乱れ…。やがて、躊躇するようになった。
食事の量が減り、喉越しの良いものを求めるが…
やはり、途中で箸を置く。
余りにも……急激な変化であった。


