「なら……良かった。それならきっと、先生の中に私の存在が生き続けていけるから……。ネタにして、それで笑って貰えれば…本望です。」



「………お前も…頑張れよ。これからは受験もあるし、出会いも別れもきっと沢山…ある。俺で力になれることがあるなら…何でも言えよ?真っ先に駆け付けてやる。」


「……。あなたは本当、正義のヒーローのような人だわ。ここぞっていう時に現れて、がっぽりいい所ばっかり持っていってしまう。なのに…その実体は掴めない。」



「…それは…いいのか、悪いのか……?」



「暴いてやりたかったけど、致し方ありませんね。時既に…遅し。ただ、忘れないで下さい。あなたにも…そういう存在がいると。あなたに何かあったら、私がすぐに駆け付けますから☆」




「……………。掴めそうで掴めないのは…どっちだよ。」




「…え?今、なにか……」


「いや、何でもない。つーか…、朝だなあ……。」



「……朝ですね。」




「眠いな。」



「……。そうですね。」



「……戻って一緒に寝る?」



「なな…なにを……。」」


「…………。馬鹿。冗談だよ。動揺…するな。」



「……。そ、そうでした。」



「つーかさっき一緒に寝たもんな。」



「…………!!」




「………。あーあ、そんなに純情でこれからどうするんだよ。」



「心配無用です。あなたのようなエロい殿方とはお付き合いしませんので。」



「長南はエロいぞ~?」



「なぜそこで長南殿が出てくるのですか?」



「……?彼氏になったんじゃねーの?」



「なりませんよ。お断りしましたから。」




「………。…は…?」



「と、とにかく!別れた女の恋の末路を気にしていただかなくても結構ですから、その代わり、生徒として…最後まで、見届けて下さいませんか。」



「…………。」



「仁志先生が見てくれていたら、なんでも頑張れそうな気がします。」



「……女に…二言はないな?」



「…?はい。」



「俺、案外しつこいよ?」



「知ってます。いっぱい追いかけてもらいましたから……。」


「……そっか…。…ったくお前のその前向きさは…どこから来るんだか。」



「……それはですね。」



「ん?」



「…秘密です。」