リフト1コース分。
その頂上は、もうハッキリと見えていた。
さほど、大したことはないだろうとの認識をもって、
「よっし、行くで~!」
オオサカの気合いを合図に…その一歩を踏み出す。
ちょっとした傾斜。
それを1分程歩いた所で………
「はぁ…、はぁ……。」」
動悸が…激しくなってきた。
部活もしていない運動不足の私には、どうやら……少々キツイらしい。
繰り出すその一歩が重くて……
「オオサカ、休憩しませんか?」
つい、弱音を吐く。
「まだスタートしたばかりやで?自分見てみい、まだほんの少し登っただけやないか!」
「……。はい。ちょっと言ってみたかったのです。」
…と、私達を追い抜かして行ったのは……
救急道具を背中に背負った…
紺野先生。
「三船さん、がんばれ~!」
軽々と…その足を進めていく。
「……ムム…、オオサカ!ペースを上げましょう!」
おばさんに…
負けてなどいれないのです!!!
私達と紺野先生は…抜いては抜かれを繰り返しながら……
途中、中間地点までやってきた。
さすがにヘトヘトになって……。
「少し休憩しましょう。」
紺野先生が、休憩を促す。
それには反抗することなく、むしろ喜んで…その場に、腰を下ろした。
上を見上げると…
もう、ゴール近くであろう位置に、ニシハルと数名の男子生徒の姿が…見てとれた。
「………。さすがハル。まだまだ現役ねぇ…。」
「………!」
『ハル』と呼んだその言葉に、私は…ドキっとする。
「え。ハルってもしやニシハルのこと?」
間髪置かずに、オオサカがその話に…食いついた。
「…あ、ごめんね。昔の癖で、つい……。」
「そういや先生らって親しげにしてますもんね。二人はどういう関係なん?」
オ…、オオサカ…!
なんというダイレクトな質問を…!
「高校からの同級生だったのよ。」
それは…知っているわ。
「やだなあ、紺野先生。そういうんやなくて…、もっとホラ…、恋仲だったとか……」
いやだ……、
聞きたくない。


