『…ごめん、太田。』
『……先生?』
『俺があんなことしたから…、三船に誤解させた。お前のことも…傷つけた。』
あの日。
私達は莉奈ちゃんに…、
事の真相を伝えた。
予想を遥かに飛び越えて……。
なんの弁解もせずに、
拍子抜けする程素直に……
ニシハルは、頭を下げていた。
『やだなあ、先生ってば。謝るようなことでは……』
顔を真っ赤にして、しきりに照れる莉奈ちゃんは。
ただの恋する乙女で……
今まで見た、どんな莉奈ちゃんよりも…かわいかった。
『…先生のこと…、勝手に好きになって、一歩にも、先生にも迷惑かけてしまいました。謝るのは…こっちです。』
『迷惑なんて、ひとつもない。』
『え……?』
『だいたい、お前は…なんにもアクション起こしてないだろ?』
『…………。』
『…でも…、一歩が…』
『…コイツは、自分の判断で動いてただけ。必死こいでて面白かったよ。』
『し…、失礼な。』
『…俺はお前の口からは何にも聞いてない。だから…、言いたいことがあるなら、ちゃんと聞くし…、ちゃんと答えるよ。』
ニシハルは………
真っ直ぐだった。
真正面から、莉奈ちゃんと向き合おうとする姿に……
私は、心を打たれる。
莉奈ちゃんが目の前にいるというのに…、
まるで、自分がそれを言われたかのように。
ドキドキ、
ドキドキ……。
不謹慎な、心音が……
響いた。
『先生、先生には……特別な女の人…、いるんですか?』


