私の潜む洋室のドアが……静かに開く。
途端に、オートロックでガチャリと鍵がかかる。
「……ちょっ…、高津っ、先に中行ってよ!」
「莉奈。お前こーゆーの得意だろ?こういう時はジャンケンだ。」
「アンタ男でしょ?」
「都合いいときばかり、男扱いするなよ!」
あら。
莉奈ちゃんに高津くん、なんて強運なのかしら。
二人が…ペアになるなんて。
「…げ。高津…震えてるし。」
「バカ野郎、こりゃあ武者震いだぜ!」
まあ、高津くんてば…強気ね。
それでは。
私、三船貞子が……
本物ね恐怖とやらを、教えてしんぜよう………!!
私は手にしたリモコンで……
薄型テレビの電源を入れる。
消音され、音もしない砂嵐が…画面に映し出される。(注:アナログ画面)
続いて……
編集してスローテンポにしたある曲を。
CDデッキから……流す。
「「……………。」」
無言になる…二人。
「……高津……、これ、何の曲?」
「…………。し、知らない。」
まあ…、何てこと。
これを…知らないだなんて!
仕方ないわね………、私が出て…説明しましょうか……?
腹ばいになっている私は。
ベッドの下から………
まず、手だけを出してみる。
「「…………。」」
まだ……気づいてないのね。
ズリ…
ズリ………
這いつくばって……。
ゆっくりと…身体を動かす。
ズリ…
ズリ………!
「たっ………、た、た、た、高津ぅっっ!アレ、ベッドの下から……!」
「…え……?」
ズリ…
ズリ…………。
ぴたり。
二人の足元で……、私はゆっくりと、ゆっくりと……立ち上がる。
髪の毛を耳にかけて、片目のみをひんむいて……
「……ワタシト………、オドッテクダサイ。」
にやりと…笑ってみせる。
「「ぎゃ……、ぎゃああ~!!!」」
聴こえますか?この、BGM……。
叶わなかった三船貞子の夢…、
オクラマホミキサーの怨念が………!!!!


