「やれやれ……、結構時間かかったわ。」
写真屋からの帰り道……
私は軽い足どりで、スキップしながら…歩いていた。
瞬きする目も……、もう、重くはない。
「『トモヨ』から離脱したのね。」
辺りは…夕暮れ。
カラスの鳴き声が…茜色の空に冴え渡る。
「バードウォッチングも悪くはないかもしれないわ。(ニヤリ)どれどれ、どんなバードを写したのかしら?」
私は足を止めて。
現像したばかりの写真を…取り出す。
「……ん?」
そこに写っているのは……。
白や黄色の、どこかで見たような……花々。
「………。」
雪解けの野山。
景色によく馴染んだ…古びた家屋。
せせらぐ音が聴こえてきそうな、小さな小川……。
「………?鳥の写真が…ないのね。あの方、花に興味などあったのかしら。」
些か疑問に感じつつも。
写真から感じる春の息吹は何だかとても温かくて。
「いい写真…撮るじゃない。」
彼らしからぬ作品に、ちょっとだけ…感動を覚えた。


