予鈴が鳴り響き……、
生徒達は各々に、自分の席へと着いた。
やがてガラリと扉が開いて…、
「おはようございます。」
新見先生が教室に入ってきた。
……来る……!
私は身構えて……その時を待つ。
く~る~~!!
(注:ザキヤマをイメージしてください)
「おはよう。」
低い、穏やかな声が…
教室に響いた。
条件反射のように、つい……顔を上げる。
……ダメ!
先生だって気まずいんだから……。
……と思ったけれど。
うっかり目が合って、
「「…………。」」
1
2
3
4
5………
5秒ほど見つめ合ったのち。
「……ぶっ…。どーした、お前。イメチェン?」
なんと……!
……大爆笑…!!
「相変わらず失礼な男ですね。トモヨを馬鹿にしているのですか。」
「は?誰だよ、『トモヨ』。」
「……これだから平成男児はダメなのです。」
「残念、俺昭和生まれ。ああ……、だからさっきの曲…、『昭和枯れス〇キ』?一体何狙ってんだよ。」
「……おだまりッ!」
「おーこわ。……ぶっ……靴下っ……。」
「………文句ありますか。なんなら、ロールにしますが?」
私はソックスの折り目を戻して……
くるくる~と下方へと巻いていく。
「どんなもんじゃい!」
「……ぷっ…!も~ダメ、おかし過ぎる。」
ニシハルのあまりに珍しい笑い方に……
クラスのみんなが、徐々に顔を歪ませて。
またまた…笑いが沸き起こる。
「…………。」
多少失礼だけれど。
これが先生の気の遣い方なのかもしれない。
私が居づらくならないように、先生としての最大限の愛情を持って……接してくれているんだわ。
そう思うと……
抑えこもうとしていた感情が、どんどんどんどん溢れ出て。
やっぱり貴方から……
目が離せなくなるのです。
『好き』を消すには……
まだまだ時間が必要みたいです、先生。


