「…なる程、そういう事でしたか。いやはや紛らわしくて…申し訳ありまんでした。」
放送室をつまみ出され、莉奈ちゃんと二人肩をならべて廊下を歩く。
「前回のフ〇イングゲットの時も行動を起こす前の予告みたいなものだったでしょ?だから、無理心中図るんじゃないかって……。てか…、それはないとしても、何かあったの?ニシハルと。」
「ええ。ちょっと失恋を。」
「へぇー……って。ぅおいッ!何ソレ、どういうこと?!」
「残念ながら、振られてしまいました。」
「…嘘でしょ…?多少歪みはあったけど、あんなに好き合ってたじゃない。」
「……。いいんですよ、もう終わってしまったものは。」
「……いっぽ……。」
「それより!…おかしいですね。」
「ん?」
「…今回はマイクもオフにしていたハズ…。なのになぜ!またしても既視感……。どうして皆さん、私達を指差し笑うのかしら。」
「………。てか、その風貌で後ろ指さされない訳ないよね。」
「どこかおかしい所が?」
「そうだなー……、第1に、そのおさげ!なにゆえそんなにキッチリ結ってきた?しかも二つ結い。第2に、その前髪!随分見事な7·3。第3に、その…足元!3つ折りソックスが懐かしい。」
「…………。ふふ…♪よくぞ気づいて下さいました。これぞおしとやかで気丈な昭和の女学生!三船トモヨにございます☆」
「第4に!」
おっと…
スルーですか。
「…第4に…、どうしたの、その瞼。」
「………。一晩中泣いた結果……こんな目に。」
「……泣いたの?」
「ハイ。」
「いっぽが?」
「……ハイ。そしたら、あまりにもトモヨに似ていたので…つい。」
「なる程ね……。なんであの曲セレクトしたのかよ~くわかったよ。」
「あとは……」
「……ん?」
「私がもっと控えめで聡明な生徒だったら…こんな事にはならなかったかなぁ…とか思ってしまったり……。」
「……そっか。ちょっと時代錯誤過ぎるけど…辛かったんだね。」
「…………。」
「……悩み…もっと聞いてあげれば良かった。ごめん。」
「……………っ」
莉奈ちゃんが私の肩を支えて……
私の我慢していた涙が…一気に溢れ出した。


