「……脅威?長南殿が?待ってください、確かに仲は良いですが、私は……」
「二人の間に、何もないと……言い切れるか?」
…唐突な質問に、言葉が詰まる。
ニシハルはブレーキを踏み込むと……、
ハザードを点灯させて、車を道路脇へと停車させた。
それから、ハンドルを手にしたまま、ソレにアタマを乗せて、じっと……
私を見た。
「…言い淀んでるよ。」
「………!」
「…全力で否定はできないって事だ。」
「……あの……」
「……いい教師って何だろうって…最近思う。俺がお前らに対して持つ感情はさ、教師には必要のないものばっかで…、時々、我に返って足元見るんだ。特別に見てはいけない、でも…そうはできない。冷静になりきれない自分がいる。」
「…………。」
「隠しごとも、嘘も好きじゃない。なのに、自分もお前にも…それを強いられる。」
隠し事も、嘘も……
スキジャナイ。
「……考えないといけないって思った。」
「………私……。」
ようやく絞り出した声が……
少しだけ、震えていた。
この人は、いつもこうやって真っ直ぐで……。
ジタバタしていた自分が、情けなくなる。
信じているからこそ、
好きだからこそ、
ちゃんと……言わなきゃいけないことがある。
「……私……、長南殿とキスしてしまいました。」
「……うん。」
「…驚かないのですね。」
「どこかで、覚悟があったから。」
「………。覚悟…?」
「人の気持ちは冷めることがある。」
「……え?……待って下さい、確かにキスしてしまったことは迂闊だったと思います。ですが私が好きなのは……」
「三船。俺達…一度、距離を置かないか。」
「……え……?」
「お互いに、周りが見えなくなってる。そんな恋愛じゃあ…いずれダメになる。」
「……嫌です。先生は私のこと…嫌いになったのですか?それとも、許せないのですか?…裏切るようなことをしたから。」
「……。三船。そうじゃない。」
「…そういうことじゃないですか!結局私は…先生にとってはお荷物なんですよ。」
「………。」
「だって、好きなら離れる必要はないじゃないですか!」


