「長南。部外者は…黙ってろよ。」
鋭い目つきで、ニシハルは長南殿を睨むけれど……
途端に、
「……お前…、その顔、どうした?」
長南殿の、顔を……凝視する。
「別に。」
「……。学校に…電話が来てた。ウチの学校の生徒が喧嘩してるって。長南…、もしかしてそれは、お前のことか…?」
「…だったら、何?」
「お前…わかってんの?受験っていう大事な時期にそんなことを起こしたら…。」
「……停学ッスか?」
「……。お前……、大学は推薦狙ってただろ?それはおろか、サッカーの方だって…。」
「……そうですか。もー学校に知られてるし、この顔じゃあ…どうにもなんないよな。…仕方ねーよ。」
「……何があった?」
「………。好きなオンナを守っただけっスよ。」
「……は?」
「ニシハル。俺はアンタとは違う。大事なものも、…その、優先順位も。」
「…………。」
「大学?サッカー?そんなのクソくらえ。」
長南殿の真っ直ぐな視線は、ニシハルの心を容赦なくついて。
先に目を逸らしたのは…
ニシハルの方だった。
「俺に話せなくても…、学校にはきちんと説明しろよ。」
「ああ。そのつもり。」
「……そっか。………。」
ニシハルは急に思いついたかのように……、今度は私の方へと視線を移した。
「……三船…。なあ…、お前は…大丈夫だったのか?」
「……!あの…、はい、大丈…」
「コイツは、俺を助けようとして…怪我した。」
「長南殿っ!」
「事実だろ!どのみち手当てしなきゃ駄目だ。隠しようがない。」
ニシハルの手が伸びて。
私の手をとり…隠していた傷口が晒される。
「大したことはありませんから。」
顔を背けようとして、傷口にニシハルの指が触れる。
「痛……。」
つい口走った言葉に。
「痛い痛いのトンデケ~ッ!!……ウフフ…、お空の彼方に飛び去ったワ。」
慌ててフォローをいれるけれど。
「……バカ…、全然大丈夫なんかじゃない。」
一瞬の間に…
長南殿の胸倉を掴んで、
凄い形相で睨みつける。
「なんでお前がいながら……!」
「………。俺を殴る?……できねーよな、アンタには。一発で懲戒免職だ。」


