高津くんは、キッパリと言い切ると……
じわりじわりと、私ににじり寄った。
廊下の窓際に……
追いやられる私。
「……今まで…、嫌な思い、いっぱいしただろ…?何で今更…、先生なの?」
高津くんの手が、私の手首を掴む。
「……え?」
「大体、ニシハルなんて…ただでさえ女に囲まれてるような男だ。好きになったって…、手が届く相手じゃない。」
「……。待って、私は好きだなんてひと言も…。」
「…言ってるようなもんだよ。そもそも…、お前が男に興味示したことなんてあったか?てんで、眼中にないって態度ばかりとってたじゃん。」
「……。高津くん…、腕…、痛いよ。」
「……言ってみろよ、好きだって。認めろよ…。でなきゃ納得いかない。今までお前をずっと見てきた俺が…、一番わかってんだ。」
高津くんが……、私を……?
ずっと見てきたって…?
「……心配ならいらないわよ。昔の二の舞にはならない。」
「…………。いや、そーゆーことじゃなくて…。」
「……じゃあ…、どういうこと……?」
わからないわ……。
高津くんが、こんなに怒る理由が。
「三船はさ…、ニシハルをどう思ってる?」
「……どうって…、先生だし、宇宙人だし、面白い人かと。」
「……百歩譲って、そうだとしよう。つまりは…、奴を先生として認めてるってことだよな。」
「……ええ。莉奈ちゃんの一件で、だいぶ見直したわ。」
「……なら。男としては…?」
男として……?
そもそも……、男女を強く意識した試しもない私には、そんなの……難題だわ。
「……別に……、好きとかそういうのではない。」
「…………!」
「…人として…、知りたくなった。ただ…それだけ。ニシハルだって、そう認識してるから……、敬遠しないのよ。」
「……でも!」
「………ストップ、そこまで。」
「「…………?!」」
高津くんと私の間に……
スッと割り込んで来たのは。
「……ニシハル…!」
高津くんが……
小さく、声をあげた。


