「でしょ?コレつけてから、運気が上昇したっていうか…、物事が上手くことを運ぶようになってさ。迷信だとは思うんだけど、今話題になってるし…信じたくもなるよね。」
「………そうですね。」
「良かったら紹介しようか?案内するよ。」
それは……、ちと興味があるやも。
神頼みでも、なんでも、この負の連鎖から……逃れることができるならば。
「……連れてって下さい。」
「うん、じゃーいこっか。」
見ず知らずの者に、何て親切にして下さるのでしょう。
彼は私の前に手を差し出す。
それはまるで……姫扱いで、
ちょこんと置いた私の手を、ふわりと持ち上げてから……
にこり。…と、笑った。
導かれるようにして立ち上がるけれど。
ええ……と、
何かを忘れていやしませんか?
………!!そうだわ!
「……ところで、王子。もう一人連れて行きたい方がいるのですが。」
「…?(王子?)え。」
「間もなく相方がやって来るので……」
……と、そこまで言いかけた時。
「ごめん。待てないかな。」
彼は…握る手に力をこめる。
「あの、痛いです。」
訴えかけるけど、「ごめんね~」と軽く流され…
ずんずんと先へと歩いていく。
「……あの!私はやっぱり待たねばなりません。手を離していただけないでしょうか。」
「……………。」
『何だか…おかしい。』
…と、気づいたのは。
スーツ王子が鬼のような形相になっているのを…
この目でしっかと捉えたから。
手を振りほどこうと、ジタバタしてみる。
「…今更…何?」
「…離して下さい。この手を掴んで良いのは…一人だけと決めているんです!」
「……。それ、本気で言ってる?」
「………!」
「男に幻想抱いちゃってない?」
「…え…?」
「信用しすぎ。」
「………。」
「馬鹿だね、いくらでも嘘なんてつけるんだよ?もっと慎重にならないと…簡単な女に成り下がるよ。」
「………!」
「…なんて、ね。」
……ようやく…目が覚めました。
つまりは。
アナタは……
私をカモにしようとしていたのですね。


