「…で?そのコウスケさんが出て行った経緯は?」
「彼は私の従兄弟で…大手の商社に勤めています。ずっとオーストラリアに勤務していたのですが、この度異動が決まって日本に戻って来て…。彼の住まいが見つかるまで、私の家に居候していました。会社に近くて良い物件が見つかったので、4月よりそちらに住んでおります。」
「……そうなんだ。…てか、ニシハルはそん時どうしてたの?」
「………。彼の行動を見ながら、なんだかんだ私に会ってくれました。」
「コウスケさんは相手が教師だって知ってたの?」
「ええ。速攻バレましたから。」
「反対されなかった?」
「すごかったですよ、最初は。けど…先生がなんとかしてくれました。認めてくれたのかはわかりませんが…、きっと、気持ちが通じたのでしょう。いつの間にか、小言を言うに留まるようになりました。」
「………。」
「なのに…、今は全くなにも…。きっと、勝手にヤキモチ妬いてもやもやする私に…呆れているんでしょうね。私の暴走はいつものことだもの。宥めるにも値しないのかしら…?」
「…………。」
「……なんて、長南殿に愚痴を言っても仕方ないのに…。何で話してしまうのでしょう。」
「……。うん、でも…ようやく『三船一歩』の本性を見た気がする。」
「え?」
「今まで散々仲良くしてきた気がするけど、俺らってお互いのことを案外知らなかっただろ?」
「…………。」
「趣味の部分で気が合って、馬鹿ばかりしてた。それが…楽しいし、楽でもあった。」
「……ええ。」
「アンタはいつでも臨戦状態。例えるなら…武士?いつも何かに挑んでいて、気を張ってる。…休まる日はあったか?」
「………!」
「少なくても、俺と馬鹿してる時のアンタは…楽しそうだった。アンタにとっての俺は…、唯一の休まりになればいいって思ってたよ。」
「…………。」
「自分のことを話すのは、苦手なんだろう?それが…つい話すくらい、弱音を吐くくらい、一歩が俺を受け入れているってことだ。」


