昇降口を抜けて……
脇見も振らずに、歩き続ける。
「…………。」
何が正しいのかなんて…わからない。
今逃げたって…、明日がまたやって来ると言うのに。
なのに、私は一体何故こんなにも……
恐れているのでしょう。
一心不乱に歩み続ければ、気が紛れるの?
こうすることで、答えが見えてくるの?
先生と顔を合わせる度に、こんなことになるのなら。
いっそのこと、離れたままの方が、担任になんてならない方が……。
「………。違うわ、そうじゃない。そうじゃない……。」
私は何度もカブリを振って、アスファルトを蹴りあげていく。
『暗雲たちこめる』と言っていたのはオオサカだったかしら……?
今、まさにこの空では…雄大なまでの積乱雲が、襲いかかってきそうなくらいに暗く、黒く、勢力を増してゆく。
不安、
嫉妬、
切望………。
どうせならば、このまま激しい雨をもたらして、そんな不遜な感情を洗い流してしまえばいい。
以前のように…純粋に、真っ直ぐに、ただニシハルを好きでいるだけだったら。
どんなに楽で…
どんなに楽しかっただろう。


