折角離れた距離が…再び縮まって、
長南殿が私の目の前に…
何かを掲げる。
「……それは…!」
「………。大事なものだろ。カーディガンに引っ掛かってた。良かったよ、チェーンが壊れなくて。…ホラ、つけてやる。」
彼はそう言って私の背後へと回りこむと……。
私の首に、ソレを付けてくれた。
ニシハルからもらった…大切なネックレス。
私は心底ホッとして、「ありがとう。」とぽつりと呟いた。
……が、しかし。
この手慣れた一連の流れを皆さんが見逃すハズもなく……。
既に、勝手な憶測と…誤解がクラスメイトの間で飛び交っていた。
ええ……、このシチュエーションでは確かに誤解を招いたことでしょう。
「やっぱりソレ長南くんから貰ったんだ~。愛されてるよね。」
…………。
ついにはネックレスにまで話は飛躍していた。
こればかりは、肯定も否定も……
できない。
だって目の前に…いるんだもの。
これをくれた……
愛する人が。
「おまえら早く席に着け。…HR始めるぞ。」
そんな私の思惑などまるで関係なしで……。
ニシハルは、いつもの口調でそう告げた。
マスクのせいで、ますます表情が読み取れないけれど……、私を気にしている様子もない。
「新見先生は今日遅れてくるから…朝のHRは俺が担当するから。てか、よく考えたら…初顔合わせか。」
ニシハルは簡単に自己紹介をすると……
「この時間でお前らにも自己紹介して貰おうかと思う。多分もうしてるんだろうけど、俺もみんなのこと少しでも知っておきたいから、もう一度よろしく。名前と…、そうだな。受験や就職の練習だと思って自己PRしてみて。」


