この日の……夜。






先生から、メールが届いた。





『誕生日だったのに何もできなくてごめん。』






謝罪の…メール。







私は……あまり深く考えることなく、返信する。


余計な事を考えると、また、どろどろとした黒い感情に…


支配されそうだったから。




『大丈夫です。クラスのみなさんに祝っていただき素敵な誕生日になりました。』




もちろん……


みんなで写った画像も、添付して。







返ってきた返事は、何とも淡白なもので…。



『良かったな。』



…の、ひと言。







「本当は私だって……、さみしいのですよ。」






最高の誕生日の後は…




どこかぽっかりと穴が空いたかのような…空虚感がとり残されていた。













そう……、




私は、まだ知らずにいたのです。





その日……、

先生が私に会いに……家の近くまで来ていたことを。





長南殿と一緒にいたあの瞬間を……




見られていたことも…。