「……高津くん。もうちょっと屈んで?」
「……。ムリっ、空気椅子はキツイっ!」
背の高い彼に、立ったまま目薬をさそうだなんて、至難の技。
「……わかった!マトリッ〇スよ。」
お次は上体を後ろに反らして……挑戦。
「……体…、かたすぎだわ。」
ここは椅子に座るのがベストだけれど……。
教室も遠い。
そうこうしているうちに、
「いいや、こすっときゃあそのうち取れるし。」
真っ赤な目をしきりに…擦り始める!
「……目にばい菌はいるから…やめた方が。」
「…手なら洗ったばっかだし。」
「……いいから。……あ、そうだわ。」
私は名案を思いついて、すぐ目の前に迫った職員室へと……
彼をずるずると引きずるようにして、急いで歩いた。


