「…………。元気そうなので安心しました。申し訳ありませんでした。もう…二度とこんな真似はしません。」
『受けてたつわよ』
紺野先生の声が一瞬…、
脳裏をよぎった。
相手にさえしてもらえない私が、
戦いの舞台にたてない私が、
彼女に敵うわけが……、
ない。
「クラスに戻ります。……仁志先生、具合早く良くなるといいですね。………では。」
かっこよく去りたいと思ったのに……。
悔しくて、目頭がじわりと熱くなった。
「……三船!」
立ち去ろうとする私の腕を……、
いつの間にか、ニシハルがしっかりと握っていた。
熱があるせいね。
先生の手は……やけに熱い。
「……近づくなと先生が言ったんです。…離してください!」
その手を……、
私は、思い切り振り払う。
「……三船……?」
「…びっくりしました。まさか先生が担任になるなんて。」
「ああ…。黙っててごめん。」
「いえ。先生は当然のことをしたまでです。わたしも軽率な行動は控えなければいけないのに……。すみませんでした。これからは、毎日顔を合わせることができるんです。そんな贅沢などないのですから…、これからはちゃんとします。先生方にも迷惑をかけません。」
「………待て、お前何か誤解して……」
「……別に。ただ、馬鹿なことをしたと…反省したまでです。……では…、また明日。先生…、サヨナラ。」
ドアに………手を掛ける。
「………三船。」
ニシハルはまた私の名前を呼んだけれど……。
私は振り返らなかった。
「………誕生日…、おめでとう。」
ドアを閉めるその時に。
背中に投げかけられた……、言葉。


