「三船。どうした?HR中じゃねーの?」
ニシハルから飛び出した言葉は。
教師としての、ただひと言。
「………。」
うろたえない所もまた…、この二人の共通点。
ならば、私も…。
いつまでも子供扱いなんてされたくないわ。
「携帯電話を奪われました!よってこちらに届いてないかと只今参上した次第にございます。」
「「…………。」」
「…三船さん。ここは交番じゃないわ。」
むむっ…。
白衣のポリスに言われたくないわ。
貴方達のその現場こそ、逮捕モノよ!!
「……。小松先生のことだから、あえて仁志先生に渡すなどしているのではないかと予想してきたのですが……。」
「……。残念ね。持ってないわよ。多分新見先生が受け取ったんじゃないかしら?」
「そうですか。………あの。」
「…まだ何か?」
「初HRに担任不在もどうかと思いますので……、仁志先生を連行してもよろしいかしら?皆さん楽しみに待っております。」
「……彼の今の状態で、OKとは言えないわね。」
「紺野先生には聞いていません。」
「………!」
「仁志先生の意思を聞きたいです。」
なぜこの人が……答えるの?
元々「先生」なんて苦手だけれど、
こんなにも憎くて……
ドロドロとした感情を抱いてしまうだなんて……
私は、今どうかしているのだろうか。
こんな子供じみたみっともない嫉妬に、ニシハルだってきっと呆れているんだわ。
ホラ…、
何もかも見透かすような瞳で。
私を……
ただ黙って見つめている。
「……紺野先生。すみませんが、席を外していただけませんか。」
ついに……
彼が口を開く。
「…彼女と二人で話したいことがあるので。」


