キスをされたまま、お返しとばかりに……
奴の手が、私の背中に回される。
背中を伝う指の感覚が……リアルに脳へと刺激を送る。
『危険!警戒レベルMAX!』
「…………。」
いけない、冷静に解説しようだなんて……
初心者の私にはもう無理です。
彼は………
慣れているんでしょうね。
迷いなどなくて、
私の弱点をついてくるような……
意地悪な手つき。
今までどれだけの女を……。
「………ん?」
ぴたり。………と、その手の動きが…
止まった。
「………。今お前、余計なこと考えてたろ。」
「………。なんのことでしょう。」
その、顔と顔の距離…
たったの数㎝…。
気まずくて、ヨコシマな気持ちをごまかしたくて。
視線を合わせないように……右へ左へとキョロキョロ。
先生はそれを追うように……視線を移動させる。
「…しつこいです。」
「今更気づいた?」
「………?!」
「好きになった女はそう簡単に逃さない。だから…離れられると思うなよ?」
「………!そ…、それは先生の口説き文句でしょうか?何やら慣れた言い方だわ。」
「あ?(イラッ)……。お前だけだよ。なんせ暴走癖があるからなぁ…。釘さしておかないと。」
「子供ですか。いなくなるわけ…ないでしょう?私は、ニシハルがいいんです。歳とってもあなたの側にいるのは…私であって欲しい。」
「……へぇー。」
反応………
薄っ!
「……そんなの。」
「え?」
「俺もに決まってんじゃん?暴走いっぽちゃん。」
「……先生…。」
「けどさあ、最中に他の事を考えんのはやめろよ。」
さ………
最中!!!!!!
(注:ここ最近で一番の驚きを体験中です)
「お前は、今は俺んとこだけ考えて?」
すぐ目の前で笑うニシハルは。
あの妖艶な顔つきなんかじゃなくて……。
幾分か幼く見える、やわらかい笑顔。
今やセクシーボクロがチャームポイントに見えてしまう。
『ムラムラ』。
そんな言葉が相応しい衝動。


