恋はいっぽから!






地元の駅。


そのロッカーからケーキを取り出すと……。



ニシハルが待つ外へと向かって、私は急いだ。








……が、






「……三船?!」




聞き覚えある声に……




呼び止められる。






振り返るとそこに……。




「……ちょ、長南殿?!」



なんと!


長南殿が……!








「すっげー偶然!てか駅で何してんの?」




「…………。」



マズイわ。


早くこの場を切り抜けなければ……!!




「……こ、これから友達の家に行くので……駅ビルのホラ、地下に入ってる菓子屋のケーキを受け取りに来たの。」




「……随分小さいケーキだね。」



「それは二人ぶ……、いいえ。ケーキを持ち寄るのでサイズを控え目にしました。」



ふー……。危ない危ない。



「ああ、そうなんだ。もしかしてそれって…高津?」



「ええっ、違います!莉奈ちゃんですよ。」



「ふ~ん。太田ねえ…。」



「はい、仲良しですから。ところで長南殿はこちらで何を?」




「俺は甥っ子にプレゼント買いに。そいつクリスマスが誕生日なんだ。それと、これから友達と近くでカラオケ。」



「クリスマスが誕生日なんて素敵ですね。では…、カラオケ、楽しんでくださいね。」




「…おう、三船も!」





長南殿に手を振って。


うまくまいたと思っていたけれど……。












「もしも~し、高津?お前まだ着かねーの?………マジか。あ、てか、太田は来れるって?………ふ~ん…、そう。んじゃー俺先行って待ってるね。雪すげーから気をつけて来いよ。…お二人さん。」







まさか……、



あの咄嗟の嘘が仇になろうとは……






まだ知るよしもなかったのです。