恋はいっぽから!





ショーが始まると、彼の視線はアシカへと釘付けになり……




こちらを見向きもしなくなった。




アシカさんはボールを投げたり、バスケットゴールに入れたり、
お腹でしゅーっとスライディングしたり……。



それはそれは愛らしいショーを繰り広げる。



一方の……私のトナリ。





「………やはり…可愛いわ。(ボソッ)」




無邪気に笑う…ニシハル。



目がなくなってるし。


あーあ…、その顔でこっちを見ないかしら。


…なんて思いながら見つめ始めた1分後。




ぎぎぎ。…と、まるでロボットのような動きで…




ニシハルがこっちに顔を向けた。



笑顔が……


固まっているわ!



「…どうしたのですか?」



「………。さ…」



「『さ』?」



「さみー……。」



「………!!」




言われてみると……



いつの間にかチラついている雪ー…。



どんよりとした曇り空。



『大雪注意報』


……天気予報の内容が…、一気に甦る。



「つか、お前は平気?寒くないの?」


「雪坊主を信頼してない訳ではありませんが…、念には念をハイネックの下にはヒートテックを着用してますし、私にはコレがありますから……。」



私はバッグから『ニシハルマフラー』を取り出す。



「……けど、私ばかりじゃ不平等ですね。」



それから。



もう一度バッグの中に手を入れて…


ある物を取り出す。




「……本当は後で渡そうと思っていたのですが…。」



そう言って。


包装を施されたソレを……



彼に手渡した。





「…え。ナニ…?」


「『なに』って……。今日はイヴですよ。…プレゼントです。」


「…俺に?」


「以外に誰に渡すってゆーんですかっ。」



「そりゃそうか。……開けていい?」



「ええ、どうぞ。」





彼はアシカそっちのけで…


包装紙をゆっくり丁寧に剥がしていく。




……喜んでもらえるかしら。







「……!マフラー…。」



「はい。先生新しいの買うって言ってたのにいつまでも買う気配なかったので……。アレは私に気を遣わせない嘘だと思ったんです。」