恋はいっぽから!




「あと10分で始まる。」



アイスを食べ終えた後、ニシハルはすぐさま立ち上がり……



私の手をとった。




「…………?!」



何やら……


目がキラキラしていますが…?!





「始まるとは何がですか?」





「アシカショー。」




「ああ、そういえばそうですね。」




歩くペースが…、次第に早足になる。




「あの…。アシカがお好きなのですか?」



「お前さあ…、少年ア〇ベって知ってる?」



「……??名前くらいなら。」



「幼稚園児の頃ソレにハマっててさ…」



「え。先生でもアニメなんて見るのですか?」



「アホ。ガキん頃の話だって。……まあ、とにかく。それに出てくるゴマフアザラシがかわいくてかわいくて…本気で飼いたいと思ってた。」



「……ですが、『アシカ』ですよ?ショーをするのは…。」



「うん。つまり、あーゆーアタマが丸っこいフォルムをした生き物全般が可愛く見えるって話だ。アシカとかラッコとか……。」



「……なる程。」



「パッと見お前も……似たような部類かもな。」



「………ええっ。」



「なんてゆーの、丸っこくて…、目がキラキラ。」



「さっきはマンボウと言ったではないですか。」




「いーんだよ、都合よく解釈してもらって。要するにお前を可愛いと思ってるってことだから。」



「………。そうですか。」







『ニシハル』という生き物は……



まるで私を喜ばせる為にいるのではないかと……



思ってしまう。




特に、今日は………





特別に優しいわ。





「……ニシハル。」



「ん…?」



「早く言えば良かったんですけど……。」



「え。何が?」



「今更でごめんなさい。ここの水族館には、アシカもですが…、実はアザラシもラッコもペンギンもいるんです。」



「…え。中全部見たよな。」



「ええ。ですから、全て外に行かなきゃ見れない者たちなんです。」



「マジで。やば…テンション上がる。」



「知っていればすぐにでも案内したのですが……。」



「………。なに落ち込んでるのか知らないけど、今日はお前の来たい所に来たんだ。例え俺が知ってても…お前が見たいものを優先させてた。」