恋はいっぽから!






「…………?!ここは…?」





「保健室。三船さん…よね、あなた。」




「……はい。」




保健室……?



なんで?



どうして私……、ここに?







「……貧血…みたいね。」




「……えっ。」




「覚えてないの?」




「…………はい。」




「廊下で急に倒れたそうよ。」



「…………!」




そういえば……。
頭がくらくらして、それから……



それから……?








「………。仁志先生が、血相かかえてあなたを運んできたから…何事かと思ったわ。」






に……、



ニシハルが………?!





な……、



なんたること!




「あの……、仁志先生は?」





「あなたの容態教えて、授業に戻らせておいたわ。」



「……。そうですか。」




「…………なーんて、ネ。」





魔女が……




ニヤリと笑う。






「……大丈夫そうだから…、私はちょっと席外すわね。」




「……はいっ?」





魔女は仕切りのカーテンを開けると……






「……ごゆっくり。」




そう言って。





本当に出て行ってしまった。








「……ごゆっくりって言われても……」





もうピンピンしてるし。







「…………。」




あんなこと言ったのに。




ニシハル……、助けてくれたのね。




せめて、お礼くらいは……。






ゆっくりと、ベッドの上で身体を起こすと……





「………。おい、どこに行く?」





「………?!」




カーテンの外側から、声が……!





この声……





「………仁志先生?」




「………。カーテン開けていい?」




「……あ…、ハイ。どうぞ。」




なぜ……、




ここにいるの?








様々な葛藤が頭を過ぎったけれど……。





ニシハルはそんなのお構いなしで。





勢いよく……、



カーテンを開いた。






「「…………。」」




しばらく沈黙が続く。




彼は側にある丸椅子に腰掛けて……。



ふう~っと息をはいた。