辿り着いたのは……
水族館。
チケットを買う為に並びながら……
「俺、小学生以来かも。」
彼がポツリと…呟く。
「えっ、今までデートとかで来たことはないのですか?」
「……あー…、ナイね。」
「そうですか。なら…その女性たちとはどちらへ…?」
アラ…?
何やら余計なことを……。
「エ。聞きたい?」
「いいえ、別に。」
「あーそー。」
「…聞いたら…灰になりそうですから。」
「………。どんな想像してんのかわかんないけどなぁ…、お前はお前。昔のことは気にする必要はないし、これからいくらでも記憶は塗り替えていけるし?……お前一色に。」
「…………!!キ…、キザですよ。何をしれっとした顔で爆弾投下するのですか!」
「…え。『灰』になるんじゃないかと思って。」
「……今日の先生は上手いわね。私を押し負かすとは……。」
「………。今まで散々振り回されてきたんだ。無自覚はこれだから困る。」
「……え?」
「あ。大人二枚。」
ニシハルはチケットを受け取ると……
「…じゃー行きますか。」
躊躇なく私の手をとって……
水族館の中へと、足を踏み入れた。


