玄関先で親父殿に見送られて……、
先生の車に、宏輔と先生が。
後ろから、母上がついていく形で……
それぞれが車に乗り込んだ。
助手席の窓を開けて……
「今日は楽しかったよ。」
先生が微笑む。
「何でまたそんな薄着で出てくるかなー?風邪ひく。見送りいーからいますぐ家に入れよ。」
(注:いっぽはまだ稲葉さん仕様です)
…そう言って。
私の手を…ぎゅっと握りしめた。
「先生……?みんなに見られています。」
「今更もう気にしなくていーんだよ。」
……と、言っておりますが……
「手、離せっ!窓しめるぞ、このエロ教師!」
後ろの方がすごい形相で睨んでいますが……??
「……冷たい手だな。」
「…………?先生…?」
どうしたのかしら……。
一向に手を離そうとしない彼に、
背後の宏輔が…苛立ちを隠せずにいる。
「……仕方のない駄々っ子ですね。」
「……は?(イラッ)」
「……おやすみなさい。」
私はニシハルのその手に、
そっと口づけすると……。
、、
「……また明日…でし!」
おマヌケな決め台詞を残して…
一目散に、逃げ出した。
相当イカれた……行動。
ドキドキは収まることを知らずに。
玄関のドアを閉めてなお……
続いたのだった。
先生の手は……
あったかい手。
これからあの大きな手で、
私はどんな風に癒されていくのだろう……。