「久孝。(※親父殿の名前)子供の話ひとつ聞かないで、イキナリの暴力は…いけ好かないな。」
「親父、だけどコイツは…!」
親父殿の言葉を半ば無視して、手を払い除けると……。
久則は先生の方に向き直した。
「顔をあげなさい。君は…、仁志…日陽くんだな。」
「!……はい。」
なぜ久則が彼の名を…?
「話は聞いていたよ。…宏輔くんから。」
「……え……?」
「…宏輔のヤツ、俺には何も……」
「だまらっしゃいッ!お前みたいに血の気が多い奴に話せる訳がなかろう!…それに……、悪いが君のことは色々と調べさせて貰ったよ。」
「…………。」
「平賀の教え子だそうだな。」
…………?!
「……………久則…。それは『鬼の平賀』のことでしょうか?」
「おおっ今でもその呼び名で通っているのか!」
「イヤ…、まあ…、ええ。」
「奴は私の学生時代の後輩で…長年の友人だ。興味深い話を色々聞かせてもらったよ。」
「…………!」
そういえば平賀先生から…教えて貰ったことがあったわ。
……ニシハルのことを。
少しだけ垣間見えた……
先生の内面。
荒れていた…学生時代。
「一歩も聞いたことがあったのだろう?」
「………!!」
先生は驚いた顔で…私を見た。
「……ええ。ほんの少しだけ。先生、黙っててごめんなさい。」
まさか、久則と繋がっていたとは……。
友人……ね。
どうりで気質が似ている訳だわ。
「隠すようなことではないから…、謝らなくていいよ、三船。」
「……!先生。」
「ただちょっと…、親父さん達と話がしたい。だから…、お前はちょっと席を外してくれないか?」
「………え……?」
「……ちゃんと話がしたいんだ。お前がいると…、ホラ、こう…ややこしくなりそうだろ?」
「……それはつまり……邪魔だということですな?」
「…いや……」
「「そうだっ!!」」
親父殿と久則の声が…シンクロする。


