「アラ、一歩。随分と早かったのね。」
玄関に真っ先に出てきたのは……、母上。
「ただいま。」
「……。こんばんは、初めまして。」
(注:ここで5秒ほど止まって下さい。)
「……アラ……、あなた……」
母上が口を開きかけたその声に被せて、
「……先生です!!」
慌てて……
先生を紹介する。
(「そりゃそのままだろ。」)…と、先生のツッコミが飛びそうなところだけど。
「…アラ、家庭訪問ですか?」
母上のボケが上回る。
「けど、担任の浅田先生じゃないけど……。」
そうです、母上…。ようやく気づきましたか。
「一歩さんの数学の授業を担当している仁志と申します。」
先生が……
見事なまでに爽やか好青年になってるわ……!!
(衝撃!)
「……アラ、あなたが『ニシハル』?!」
「「えっ…。」」
私と先生の両者顔を見合わせて……
(「おまえ、おれのこと話したの?」)
(「いいえ!しゃべっていません!」)
無言の会話を……繰り広げる。
「……母上。何故仁志先生の名前を……?」
「アラ。だってあなた持ってるじゃない。『ニシハルノート』。ちょっと文才はないみたいだけど、あの観察日記はなかなかの出来よ。」
「「………!!!」」
「……で?一歩のだーいスキな先生が、今日はどうして家に?」
「えっと……、それは……。」
「……ん?…よく見たら、この髪型…、このジャケット…、漂うイケメンオーラ……。……ニシハル先生、あなた……」
母上……、何を…?!
「……フラ〇デーされてませんでしたか?」
「え?」
母上にしては……惜しい!
「いつの雑誌だったかしら……たしか、つい最近……。」
おっと。
記憶違いよ、母上。
「お相手は女優さんだったかしら…。」
残念!今貴方の目の前に…。
女優・三船一歩の誕生かしら…?


