「…ったく…、短気は損気って言葉知らねーのかよ!」
手で雪を払って……
ニシハル、完全なる棚上げ!
「…イラッとした時にすぐに投げられる…。これぞ雪国の醍醐味!」
「………。雪国でも室内で雪合戦はねーだろ。(イラッ…)」
ニシハルのイライラは……、
そこで、一気にクールダウン。
雪を浴びたから……?
……いいえ。
もちろん…
そうではありません。
「『雪国』ねえ…。お前の乙女心はわかんないけど、その演歌魂は…しっかり受け取ったつもりだけど。」
「………!なんだ…、気づかれてしまっていたのですね。そうならそうと言えばいいのに……。素直じゃないわ。」
「それはそっちだろ。」
二人のこの会話の意味は……、
彼等二人にしかわからない、秘密の…お話。
「…まあ、そこんところがツボなんだけどな。」
ニシハルは微かに笑みをこぼすと……、
「三船はホンっト俺のこと好きだよなぁ…。」
一歩の頭をポンポンっと2回ほど叩いて……。
「『コウスケ』、待ちくたびれてるぞ?……じゃあ…、また明日。」
そう言って……
ゆっくりと教室を後にした。
「…先生っ!……さようなら。」
慌てて挨拶する一歩に、どうやら後ろ髪ひかれる思いをしているのか…、
「…さよなら。」
ちょっとだけ困った顔をして……
その場を去ってゆく。


