なかなかノートを取りに来ない高津に、痺れをきらしたニシハルは…、
仕方なくノートを抱え……
2年5組の教室へと向かっていた。
いざ、教室へと着くと……。
扉を開いたそこに、たった1人だけ残っていたのは……
「あれ?」
三船一歩であった。
「…あいつらは?」
「莉奈ちゃんと高津くんなら、さっき用事があるからって先に帰りました。」
ポーカーフェイスで答える一歩であったが……
その視線は、床へと向けられていて……
ニシハルの顔を見ようとは…しない。
「……ああ、そう。」
彼はドアを閉めると……。
じいぃっと……
一歩の顔を見つめた。
「……な、なんのご用ですか?」
「あ?(イラッ…)お前らがノート取りに来ないからわざわざこっちから来たんだけど?」
「……そうでしたか。では、私から渡しておきます。」
「……。んじゃー頼むわ。」
ニシハルは一歩に…
ノートを手渡す。
「……ではっ、私はこれで!」
受け取るや否や……、
逃げだそうとする一歩の腕を、ニシハルはすぐさま……
掴みとる。
「……何で逃げる?」
「……えっと……、それは……。」
「ん?」
覗き込むニシハルの顔が……次第に近くなって…
「……いえ、これは逃げてる訳では……。」
彼女はフイっと顔を…
背けた。
「………コラ。マジで何だんだよ!(イラッ)」
「……久しぶりに二人きりで会ったので…何やら緊張してるみたいです。」
そう言って、手で顔を覆う一歩を見て……
ニシハル、柄にもなく……
ドキ…!
「…そういえば…、そうだな。」
「『そういえば』ぁ~?」
「冗談だよ。つーか、慣れろよそろそろ。」
「…………。」
二人の間に、ビミョーな空気が流れる。


