連れて来られたのは……
最近お世話になっている進路指導室。
「まあ、座れ。」
私たちにそう促すと……
向かい合わせに、ニシハルも腰を下ろした。
「……追いかけっこは…楽しかったか?」
……!!
「…なぜそのことを……。」
「え。だって教室から丸見えだったし。みんなで上から楽しませてもらったよ。」
「だから皆さん遅れてきても驚かなかったのね。」
「まあなー。……で、まずは…三船。」
「………?ハイ。」
「今朝は…俺が悪かった。」
先生は……
深々と頭を下げる。
「………え……?」
「…泣いてたくせに、急に破天荒な行動とるから…つい、目覚ましにって。」
「……ああ、ビンタのことですか。アレなら気にしてません。」
「うそこけっ、アンタ灰になってたでしょ?」
莉奈ちゃん、小さな声で……ナイスツッコミ。
「……あざになってないか?」
彼は躊躇なく私の頬に手を伸ばすと……、
湿布をペロリと剥がした。
「……よかった。赤みは消えたみたいだ。」
そのまま、手を添えるその仕草に……。
莉奈ちゃんが、
じっと………
じいい~っと…………
視線を送る。
「…………!な、なにするんですかっ!セクハラですよ!」
私はその手を……
咄嗟に払いのける。
「……………。」
莉奈ちゃんが……、固まっているわ。
「その件については、どうでもいいです。」
「あ?(イラッ)」
「それだけなら…、帰らせていただきます!」
私は椅子を…立ち上がる。
「……まあ、待て。まだ太田に話してねーだろ。」
「私はいる必要ないのでは?」
「…居なきゃ意味ない。」
「…………!」
「……いいから三船…、お前は黙って聞いてろ。」
「…………。はい。」
いつになく真面目な目…。
もしかして、先生………?
私は………
うっすらと。
今先生が何をするのかが……
わかってしまう。


