莉奈ちゃんは、はあ~っと大きく息をはいて。
私の腕を掴むと……
無理矢理力ずくで立ち上がらせる。
「シケた面してないで、早く席つくよ?なんと言っても、1限目はアンタだーいスキな数学だよん♪」
「……………!!」
そ、それは………!!
「そりゃ悪いが、あっしはずらかるぜい?」
「………?!待てっ。」
逃げようとする私の肩を……
彼女はガッチリと掴んだ。
「アンタまだニシハルんとこ避けてるの?!」
「い、いえ、そういう訳では……。」
「じゃあ、どんな理由よ?」
「……………。」
「………ここんとこ、ずっとそんな感じだね。そんなに…話したくない?それとも、私じゃ頼りにならない……?」
「……!そんなこと…!」
「全くないって言える?」
「…………。」
こんな時、どんな言葉を返せば……
彼女を傷つけずに済むの…?
いつもふざけ合って、笑ってばかりだった私達。
私が知ってる莉奈ちゃんは……
こんなに切なく、笑う人ではない。
「……あの……!」
私が口を開き掛けたその時。
「莉奈。」
莉奈ちゃんの肩に、ポンっと手を置いて……。
「……高津くん。」
高津くんが、寂しそうに笑った。
「あんま三船を責めんなよ。」
「高津。」
「そいでもって。……ホイ、三船。」
高津くんは私の頬に……
……ペタリ。
「………?これは…?」
「……湿布。ニシハルから。」
先生から……?
「ちょっと待って。」
莉奈ちゃんがペロンとそれを剥がして……
「………!赤くなってるじゃん!どうしたの、これ?」
………。
「……ちょいと亀田親子とスパーリングの練習を…」
「んな訳あるか!」
胸倉を掴んで、ゆさゆさと私の身体を揺する莉奈ちゃん。
「やめろって。」
高津くんが制すると……
その、怒りの矛先は彼へ……!


