重苦しい空気を切り裂いたのは………
またしても、私の携帯の着信で。
「…………。」
画面には……
莉奈ちゃんの名前。
だけど今度は……
どうしても、ボタンを押すことができなかった。
彼女を巻き込みたくなんて……なかったから。
「……いーのー、出なくて。」
「……いいんです。」
「もしかして……マフラーの男?」
「……違うわ。」
そもそもお互いに……
連絡先を知らない。
学校の外で会うことすら…
ないのだから。
しばらくして。
マナーモードに切り換えた携帯が……
ポケットの中で、ブルブルと震えた。
「……………。」
私はそれを確認することもなく……
ただ、窓の外を……
ぼうっと眺めていた。
雪は次第に大粒になって……
私の視界を妨げていた。
冬の……到来。
吹雪の如くやって来たこの人によって………
私達は、
はじめてピンチを迎えることに……
なったのです。
「………。まだはじまったばかりなのに。(ボソッ)」


