「………。ふぅ~ん。」
宏輔はそう小さく呟くと。
突然、急ブレーキを踏んだ。
「………?!あぶな…」
「危ない恋をしているのは……どっちかな?」
「…………?!」
彼の手が……
私の首元へと伸びる。
マフラーの先を握り、ぐいっとそれを引っ張ると……
「………。煙草の匂い。」
鼻に近付けたそれを……
ポイっと手放した。
「……いきなり教師と恋に堕ちるって…どうよ?」
「……………!」
やはり…、あの執拗な視線は……。
「……宏輔だったのね、全部…。」
「……。おっと、気づかれてた?」
「当然です。」
「……ふぅ~ん。やるじゃん。」
彼は天使のような微笑みを浮かべながら……
「……残念だよ。」
ひどく、低い声で。
唸るように……
言葉を絞り出した。
「……彼は……特別なんです。私をよく理解してくれていて、決してやましい関係では……」
「……………。」
宏輔はもう……
何も言わなかった。


